【魔性の男】関わる者を狂わすオム・ファタールをご紹介!傑作ぞろいのおすすめ映画5選!

自分が愛する「推し」のために、毎日を頑張ることができるという方も多いはず。

ただし、「推し」を推しすぎるのも考えもの。推すために自分の仕事や友人関係まで犠牲にしたら、元も子もないですよね。

今回は、「推し」を推しすぎたために、破滅への道を歩むこととなった者と彼らの「推し」をご紹介します。

すべてを犠牲にしても良いと思える、オム・ファタールとはどのような人物なのでしょうか?

オム・ファタールとは?

オム・ファタールとは、美しい容姿や内面的な魅力をもって相手を狂わせ破滅の道へと導く男性のこと。

「運命の男」

「魔性の男」

といったような意味で、女性版のファム・ファタールも有名です。

オム・ファタールの例として、『源氏物語』の光源氏やモーツァルトのオペラでも有名なドン・ジョヴァンニがいます。

近年では、魅力的な男性アイドルや俳優をオム・ファタールとたとえることもあります。

1.『ベニスに死す』(1971年)

老いた作曲家・グスタフは、療養に訪れたベニスのホテルで、ポーランド貴族の少年・タジオと出会います。

タジオの蠱惑的な美しさに惹かれたグスタフは、ベニスでコレラが流行していることを知りますが、タジオから離れまいと街を去ろうとしません。

ベニスの街で、グスタフはタジオを求めながら死への道を歩むこととなります――

白皙の美少年・タジオ

本作のオム・ファタールは、ビョルン・アンドレセン演じる白皙の美少年・タジオ。

滑らかな白い肌と亜麻色の髪、切れ長の瞳で悩ましげにグスタフに視線を送るタジオはまさにビスコンティ監督が「とびっきりの美少年」と評したにふさわしい美しさです。

15歳という子供と大人の中間地点にある、その不安定な魅力に虜になってみませんか?

2.『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994年)

最愛の妻と娘を同時に亡くし、絶望する青年・ルイの前に、自身をヴァンパイアと名乗る男・レスタトが現れます。

ルイの不安定な魂に惹かれたというレスタトは、彼をヴァンパイアの道へと引き込みます。

欲望に忠実で、ためらいもなく人間の命を奪うレスタトとは対照的に、人間としての良心を捨てきれずにいるルイ。

そんな時、ルイは死にかけの少女・クローディアと出会います。

彼女によって真のヴァンパイアとなったルイは、レスタトとクローディアと奇妙な集団生活を送ることに。

果たして、ルイの数奇な運命はいかに?

多くのヴァンパイアを狂わせていく主人公「ルイ」

本作のオム・ファタールは、レスタトやクローディア、多くのヴァンパイアを狂わせていく主人公・ルイ。

不安定で繊細な人間的な姿から、一種の諦めと共に、欲望に赴くままにヴァンパイアとなっていく難しい役柄をブラッド・ピットが見事に演じています。

また、レスタトはトム・クルーズが演じており、公開当時肉体派のイメージが強かった彼に原作者が大反対したものの、完成品を観た後はその演技を絶賛したというエピソードがあります。

普段のトム・クルーズのイメージを覆せるという意味でも、注目の作品です。

3.『オスカー・ワイルド』(1997年)

19世紀のイギリス、自身が男色家であると自覚した作家のオスカー・ワイルドは、16歳年下の青年貴族・ボジーことアルフレッド・ダグラス卿と出会います。

やがて恋に落ちた2人でしたが、ボジーは気まぐれに振る舞い、ワイルドを振り回します。

また、息子が男性と付き合っていると気付いたボジーの父親に訴えられてしまいます。

ジュード・ロウ演じるブロンドの青年貴族「ボジー」

本作のオム・ファタールは、ジュード・ロウ演じるブロンドの青年貴族・ボジー。

自身の美しさを十分に理解しており、ワイルドを振り回すその姿はまさに、小悪魔そのもの。破滅させられると分かっていても、離れることのできないその魅力は必見です。

4.『リプリー』(1999年)

貧しく孤独な青年のトム・リプリーは、ヨーロッパで放蕩三昧の生活を送っている大富豪の息子・ディッキーを連れ戻す仕事を依頼されます。

大学時代の友人と称してディッキーに近付いたトムは、次第に彼に惹かれていきますが、ディッキーにとってトムは、ただの物珍しい下層階級の人間に過ぎませんでした。

ディッキーの本心を知ったトムは、思いがけない行動をとります――

ジュード・ロウ演じる放蕩息子「ディッキー」

本作のオム・ファタールは、ジュード・ロウ演じる放蕩息子のディッキー。

男としての魅力と自信に満ち溢れたその姿は、女性だけでなく男性まで魅了してしまいます。

ディッキーに愛憎を抱く、マット・デイモン演じるトムの演技も注目のポイントで、劣等感とディッキーへの羨望に満ちた屈折した青年を繊細に演じました。

本作は、アラン・ドロン主演『太陽がいっぱい』(1960年) と同一の原作の映画化であり、そちらと見比べてみるのも面白いかもしれません。

5.『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(2017年)

南北戦争期のアメリカ南部・ヴァージニア。

世間から隔離された森の奥の女子寄宿学校で暮らす7人の女性たちの前に、重傷を負った北軍の兵士・マクバニーが現れます。

校長のマーサは、彼の怪我が治るまで匿うことにしますが、長らく男性と接していなかった女性たちは紳士的なマクバニーに惹かれていきます。

彼の気を引き、周りを出し抜き近付こうとする女性たちと、その状況を楽しむマクバニー。

しかし、学校内でのとある事故で更なる怪我を負ったマクバニーは、それを女性たちのせいだと決めつけ、乱暴な態度をとります。

愛情が憎悪へと変わった女性たちは、マクバニーに対してある決断を下します。

北軍兵士「マクバニー」

本作のオム・ファタールは、紳士的な態度とその魅力で7人の女性たちを狂わせていく北軍兵士・マクバニー。

コリン・ファレル演じるマクバニーの、女性を魅了する甘いマスクと、怒りのままに怒鳴り散らすその「男」としての恐ろしい側面のギャップが注目のポイントです。

また、本作は『白い肌の異常な夜』(1971年) という映画のリメイクですが、こちらがマクバニー視点で女性の恐ろしさを描いていたのに対し、本作は女性視点で描くことで、よりマクバニーの魅力が際立っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は映画に主人公としてよく出てくるキャラ「オム・ファタール」について紹介しました。

女性だけでなく、男性まで虜にする魅力を持つオム・ファタール。

美しい俳優陣たちが演じる「運命の男」に、あなたも魅了されてみてはいかがでしょうか。

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